おうち時間が増えたため「憧れのアウトドアリビングで、庭にも自由でくつろげる空間がほしい」と考える人も多くなりました。
しかし、アウトドアリビング=高価なイメージもあるため
- どれくらいの費用がかかるのか?
- そもそも身の丈に合っているのだろうか?
が分からないと、具体的に検討できません。
そこで、この記事では、
費用を抑えてアウトドアリビング感を出す方法を
- 床
- 壁
- 屋根
- 装飾
の4つに分けて解説します。
アウトドアリビングで、家族みんなが満足できる空間を作るため、ぜひ参考にしてください。
まとめて工事しなくても大丈夫!部分的注文のメリット
アウトドアリビングの空間づくりをする際、全体を一度にまとめて工事するのではなく、部分的な注文をおすすめします。
一度にトータルで工事しようとすると、必要なコストはかさんでしまいます。
それに一度に工事すると、あとから微調整するのも難しくなります。
例えば、
- まずはウッドデッキだけ注文しよう
- 次は目隠しフェンスをおしゃれに仕上げよう
などと、お気に入りの空間を小さく作り、徐々に広げていくと効率的かつ予算もコントロールしやすいです。
費用を抑えたアウトドアリビング感を出すポイント4選
一括ではなく分けて注文する前提でのプランをご提案します。
部位に分けつつ、費用を抑えてアウトドアリビングを手に入れるポイントを4つ紹介します。
<1> 床の選択肢は3種類!費用の内訳と予算を考えて選ぶ
床は最も面積が大きい部分であり、身体が触れるため愛着を感じやすいのです。
アウトドアリビングづくりを始めるなら、まず床からスタートししましょう。
- ウッドデッキ
- タイルデッキ
- 芝生
足元から美しい庭を支えてくれます。
ウッドデッキは商品選びに比例して金額差を生む
ウッドデッキがあれば、温かみのある空間を演出でき、室内から外に出るきっかけにもなるため、お庭にアクセスしやすくなります。
子どもが小さいときはプールを置けますし、来客のときもお庭が楽しい空間になります。
そんなウッドデッキの費用は、大きく3つに分けられます。
- 商品代金
- 工事費用
- 基礎費用
なかでも商品代金が全体の40〜50%を占めます。
価格は1平米あたり3万円~8万円とかなりの開きが出るため、費用を安く抑えるには商品のグレードを下げなくてはなりません。
大切なのはウッドデッキの質感です。
さまざまな商品のバリエーションがあるので、実物を見るなど納得できるウッドデッキを選ぶのがポイントです。
タイルデッキは、床高さ不用意に高くしないのがベター
タイルデッキがあると、ホワイト系やグレー系、ベージュ系の床にできるので、明るいお庭を演出できます。
タイルデッキで最もウエイトが大きいのは基礎費用です。
- 商品代金
- 工事費用
- 基礎費用
基礎費用が全体の50~60%を占めるため、「基礎費用をいかに抑えるか」が価格を下げるポイント。
標準的な高さ30cmでは1平米あたりの価格は5万円〜10万円ほどですが、もし一般的なフローリングの高さ(50㎝)に合わせようとした場合、基礎費用は倍になることもあります。
そのため、高さを出さないことが費用を抑えるために有効です。
人工芝でも天然芝でも値段の差は少なめ
庭の見た目を美しくしてくれる芝生。人工芝と天然芝、お好きなほうを選んでください。
芝生にかかる費用は、大きく3つに分けられます。
- 芝生代
- 設置費用
- 整地費用
人工芝と天然芝のどちらでも、設置費用と整地費用はさほど変わりません。
そのため、費用を抑えたい場合は、次の2つを選ぶのがおすすめです。
- 人工芝をDIYで敷設する
- 天然芝を購入する
商品そのものの費用は天然芝のほうが安いですが、メンテナンスの手間がかからないのは人工芝です。
敷設だけ人工芝のDIYでがんばるのが費用面と手間暇では最適と考えています。
<2> 壁=プライベート空間を守るため目隠しフェンスを設置
お庭をプライベートな空間として使うには、外からの視線を遮るために目隠しが必要です。
そのためには目隠しフェンス。
設置費用は2つの要素で決まります。
- 商品代金
- 基礎代金(ブロック塀も含む)
相場は1mあたり3〜20万円とかなり開きがあります。それだけ商品代金の価格帯が幅広いのです。
強度と見た目はそれぞれ、金額と比例します。
強いフェンス/見た目の良いフェンスはお値段も高い。
台風などでもそう簡単には破損しないので、どこまで予算をかけるか現場状況に合わせてプロの業者さんと相談して商品を選択してください。
<3> 屋根の設置は床の工事後、目的を明確にしてから
屋根を作るなら、床の工事が終わってからにしましょう。
ありがちなのが、せっかく屋根を作っても「雨から何を守りたいのかよく分からない」というもったいないパターンです。
屋根の設置目的を明確にしてから、屋根工事に着手してください。
雨や日差しから守るテラス屋根や日よけ
夏場はとくに、テラス屋根や日よけが日差しを和らげてくれます。同時に目隠しにもなるため、くつろげるスペースを演出できます。
テラス屋根や日よけは、工事費用よりも商品代金のほうがメインで60~70%を占めます。また商品による工事費用の差はほとんどありません。
したがって、標準的な間口3.6m×奥行1.8mサイズで12~40万円程度の代金の中からどの商品を選ぶのかが重要です。
ガーデンルームを設置して快適な「オールインワン空間」を実現する手も
ガーデンルームはオールインワン空間を演出できる優れもので、ここまで紹介してきた床や屋根、目隠しとしての機能も入っているため、アウトドアリビングに必要な要素が一度に揃います。
もう1つ新たな部屋ができるため、屋外でもプライベート空間も確保できます。
以前は、リビングの延長や物干し部屋の印象がありましたが、最近ではグランピング施設のような魅せるスタイルが人気です。
ガーデンルームの導入費用は、標準的な間口3.6m×奥行1.8mのサイズで、80~500万円程度とほかのアイテムに比べると高額。
設置工事費や基礎費用はあまり変わらず、商品代金に比例して費用も上がっていきます。
金銭的に余裕のある方やワンストップでまとめて揃えたい方は、一気にお金をかけてみてもよい箇所です。
<4> 装飾はくつろげる空間づくりに必要なピース
4つ目は装飾です。
お金をかければキリがないため、予算を抑えながらも「ここにこだわると効果的」というポイントを紹介します。
シンボルツリー/植栽は少なくとも1本はほしい
植栽は少なくとも1本以上は設置を検討してください。
緑がないお庭は、非常に無機質な空間に見えてしまいます。
たとえ人工芝を敷いても、本物の緑がなければ、偽物に見えてしまったり、ちょっとみすぼらしく見えてしまったりすることもあります。
シンボルツリー/植栽の設置費用は、次の3つから成り立っています。
- 樹木代金
- 設置費(運送費含む)
- 土壌改良(土壌が適していない場合)
もちろん本数を増やした分だけ、また大型に樹種になれば費用も増えます。
例えば、高さ2m以上の植栽では1本あたり5〜10万円が必要。
また高さ1m以下では1本あたり5千円〜1万円かかりますが、ボリューム感としては小さいので、たくさん植えなければ緑が目立たなくなります。
植栽の費用が捻出できないときは、苗木から育てるか、鉢植えでも構いません。
ぜひ、緑のあるお庭演出をおすすめします。
ライティングは安全・安心を確保し、映える空間演出にも効果的
安全・安心のためにもライティングは必須です。
お庭に明かりを灯すと、夜間の安全・防犯対策にもつながります。
またシンボルツリーをライトアップすれば、夜もおしゃれな空間が演出できます。
映える空間デザインという点でもライティングは効果的。
照明本体にかかる費用はピンキリですが、デザイン性のあるおしゃれなランプの場合、1個あたり2~4万円程度です。
配線費用は、1mあたり3千円程度が目安です。
費用を抑えてアウトドアリビング感を出す考え方と、部位別のポイント4選
以上が、費用を抑えてアウトドアリビング感を出す考え方とポイントをお伝えしました。
アウトドアリビングを考える際、全体をまとめて工事するよりも部分ごとに注文すれば、満足できる空間が少しずつ手に入ります。
優先順位は、もっとも触れる場所や滞在時間が長そうな場所から考えてください。
例えば、ベンチを置き、過ごす時間が長い場合は、ベンチから見える景色を最初に、優先的に取り揃えるのが良いです。
もし、どうしたらよいか、優先順位が分からない場合は、
- 床
- 壁
- 屋根
- 装飾
の優先順位で工事するのがおすすめです。
これは、触れる時間/頻度・眺める時間/頻度が長い/高い順になっています。
お庭をお持ちの方や、これからマイホームを持つ予定の方も、この記事で紹介したポイントを意識して、部分ごとのアウトドアリビングを考えてみてください。